Academic Stage Ⅱ 10日(木) 11:35-12:00
東京理科大学

瀬木 恵里

基礎工学部 生物工学科 瀬木研究室 准教授

海馬反応性に着目した抗うつ治療に対する評価法の開発 

抗うつ薬の開発において、旧来からある急性投与による強制水泳試験などは、主として急性のモノアミン系上昇状態を反映していると考えられ、新規の抗うつ治療標的のスクリーニングとしては、適切でない可能性があります。私たちは、これまでに治療機序の異なる複数のうつ治療モデルにおいて、海馬で誘導される共通の変化を見出だしています。これらで見出されている遺伝子発現、神経新生の各プロセスである神経前駆細胞の増殖・神経分化・成熟、生存率、また治療後の刺激に対する反応性の評価を組み合わせることで、様々な時間軸で、うつ治療につながる脳内変化を捉えることが可能となります。これらの技術は、急性のモノアミン系上昇を伴わないような新規うつ治療開発のProof of Concept形成に有用であると考えます。

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