Academic Stage Ⅱ 10日(木) 15:00-15:30
静岡大学

新谷 政己

大学院総合科学技術研究科工学専攻 ・准教授

応用微生物学に必須な新規広宿主域プラスミドベクターの収集と開発

微生物を利用したバイオ産業は、有用物質生産、環境浄化など、循環型の持続可能な社会づくりを支える上で重要である。プラスミドは微生物の生存に必須な染色体DNAとは別に複製される遺伝因子であり、微生物の機能向上や産業としてのコスト削減を担う、重要な遺伝子組換えツール、遺伝子の運び手=ベクターとして利用されている。しかし多くのプラスミドが発見されているにもかかわらず、どのプラスミドがどの微生物のベクターとして使えるのかという情報は全く不足している。演者らは、自然界から種々のプラスミドを収集してきた。その中で、広範な微生物内で複製されるプラスミド、pSN1216-29を見出した。本プラスミドから、種々の微生物内で複製可能なベクターを作出したところ、汎用性の高い広宿主域ベクターとして利用可能なことが示唆された。本手法を用いれば、さらに多くの種類の広宿主域ベクターを開発できると期待される。

このウィンドウを閉じる