Academic Stage Ⅱ 9日(水) 15:00-15:30
静岡大学

朴 龍洙

グリーン科学技術研究所・教授

電気化学バイオセンサによるE型肝炎ウイルスの高感度・迅速検出技術の開発

E型肝炎ウイルス(HEV)は、感染症法の四類感染症に属する人獣共通食品媒介感染症であり、世界中の急性ウイルス性肝炎の主な原因の1つである。現在、その診断として、主にRT-PCR法による遺伝子検査及びイムノクロマト法による抗原検査が行われているが、高感度で迅速検出法が求められている。この研究では、金ナノ粒子を結合したポリアニリンナノワイヤーに、抗HEV抗体を修飾した窒素・硫黄を表面処理したグラフェン量子ドットを電極とした電気化学センサを開発した。+ 0.8 Vの最適電気化学パルス条件下で、1 fg/mL〜100 pg/mLまでの広い濃度範囲でHEV様粒子(HEV-LP)を検出した。更に、G7 HEVに感染されたサルから採取した糞便試料中のHEVを検出したところ、RT-qPCRと同等な感度を得た。本電気化学センサは臨床試料からのウイルス検出に十分応用可能であることを示唆した。

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