Academic Stage Ⅰ 9日(水) 12:05-12:35
名古屋大学 大学院創薬科学研究科 構造分子薬理学分野

廣明 秀一

教授

タンパク質間相互作用阻害薬の骨粗しょう症治療薬・バリア機能制御薬への応用

これまでの酵素特異的な阻害薬に代わって、タンパク質・タンパク質間相互作用を阻害する低分子化合物(PPI阻害剤)が、特異性高く副作用の少ない医薬品シーズとして注目を集めている。一般にPPI阻害剤の開発は難しいと考えられているが、ゲノム中に存在するタンパク質間相互作用を専用に担うドメインのいくつかは、酵素分子に匹敵する結合ポケットを有するため、低分子医薬品探索とほぼ同じ手法で、阻害剤探索が可能である。演者らは、主に膜タンパク質のC末端に結合するPDZドメインについて、群特異的なファーマコフォアを発見した。それを展開することで、現在、ZO-1-PDZ1阻害剤、LNX1-PDZ2阻害剤、およびDvl-PDZ阻害剤を開発済みである。このうち前二者は細胞間接着装置タイトジャンクションを可逆的に開いたり強化する細胞活性を示した。後者は、前骨芽細胞において骨細胞への分化を促進する可能性があり、現在検討中である。

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